我孫子の課題、そして希望。

我孫子市の子育て支援、空き家、町並み、高齢化の課題を市民目線で考える地域ブログ。

  • 近年、文部科学省の方針に基づき、全国で「部活の地域移行」が進められています。
    背景には、長年指摘されてきた教員の負担問題があります。

    実際に私も、公立中学校の先生から「部活がいかにワークライフバランスを圧迫するか」を聞いてきました。ですから、この流れ自体には賛成です。

    では、我孫子市ではどう進めようとしているのでしょうか?

    部活の地域移行には、深刻な教員の負担がある


    我孫子市の企画:週末祝日の「マルチスポーツクラブ」

    市の案内によると、まずは以下のような形です。

    • 平日の部活はそのまま存続
    • 週末の部活は「土日いづれか3時間」
    • 週末祝日に「マルチスポーツクラブ」を実施

    ゆくゆくは、平日も含めて「地域クラブ」に移行したい、という方針です。
    ただし、我孫子市が想定する「地域クラブ」は、「楽しむ·体験すること」を目的とした活動であり、試合や大会は行いません。


    なぜ「部活の地域クラブ移行」は矛盾するのか?

    問題は「目的の違い」にあります。
    多くの運動系の部活は 「試合で勝つこと」 を目的にしています。
    一方で、市の想定する「地域クラブ」は 「楽しむため」 の活動です。

    つまり、目的が全く異なるのです。
    そのため「部活=地域クラブへ移行」というコンセプトは破綻しています。

    • 試合で勝ちたい子 → クラブチーム へ移行
    • 楽しみたい子 → 地域クラブ へ参加

    このように、子どもの目的別に受け皿を分ける必要があります。


    マルチスポーツクラブの課題

    我孫子市が進める「週末のマルチスポーツクラブ」。
    ですが、運動部の生徒は週末に 練習試合や大会 があるのが普通です。

    それなのに、部員がわざわざ試合を休んでマルチスポーツクラブに参加するでしょうか?
    …現実的には難しいでしょう。

    もし部活生を対象にしているなら、これは税金の無駄遣いになる可能性があります。


    本当に必要なのは「クラブチーム移行」の支援

    では、どうすればよいのでしょうか?
    答えは、運動系の部活を クラブチームに移行できる仕組みづくり です。

    クラブチームには経験者のコーチがいて、レベルも高いですが、その分 お金と時間がかかる という課題があります。

    • 入会費・月謝・ユニフォーム代
    • 親の引率や当番の負担

    これらが「部活からクラブチーム移行」の最大のハードルです。

    ※ 卓球やバレーなど、クラブチーム文化が浸透していないスポーツもあります。クラブチームに移行するには、スポーツ毎の対応も必要です。


    解決策:海外の事例から学ぶ

    海外では、親の「お茶当番」や「用具当番」はありません。
    代わりに、有償スタッフがその役割を担っています。
    日本でも、この仕組みを取り入れれば、親の負担は大幅に減ります。

    外注したら、月謝がいくら増えるかを試算してみました。👇

    さらに、経済的に厳しい家庭には市や国の補助が必要です。
    例えば就学援助率(10〜15%)と同程度の家庭を対象に補助すれば、子どものスポーツ格差を埋めることができます。

    また、中古スポーツ用品の譲渡会や中古ショップの活用も有効です。
    例えば、フィギュアスケート文化が浸透しているカナダ。日本ではお金のかかるスポーツというイメージがありますよね。カナダでは中古スポーツショップが点在しており、数千円でスケート靴を購入できるので、誰もが気軽に競技を楽しめる環境があります。我孫子市でも応用できるはずです。

    中古スポーツショップ。お金をかけずにスポーツを始められる環境が嬉しい。


    イギリス系の学校に学ぶ「目的別の活動スタイル」

    実際に、目的ごとに活動を分けてうまく機能している例があります。
    私の知るイギリス系の学校では、課外活動が「競技志向」「楽しむ志向」に完全に分かれています。

    • 競技志向
      • 厳しい練習、専属コーチ
      • トライアウト(選抜)に合格しないと参加できないことも
      • 平日も週末もコミット必須
      • 月謝は高めだが、その分確実に力がつく
        → 日本のクラブチームと似ています
    • 楽しむ志向
      • 週1回、1年に最大3つまで登録可能
      • コストはほぼゼロ
      • 顧問の先生は「そこにいるだけ」で、専門的な指導はしない
      • 友達と自由に活動できる雰囲気で、子どもたちが楽しんでいる

    面白いのは、折り紙クラブまであること。先生は日本語の折り紙プリントを配るだけで、あとは子どもたちが自分で工夫して楽しんでいます。先生は横で仕事をしているくらいの関与度ですが、子どもは「楽しい」と言っています。

    つまり「試合に勝ちたい子」と「楽しみたい子」をきちんと分けることで、それぞれが満足できる仕組みになっているのです。
    我孫子市の「部活の地域移行」も、この事例から大いに学べるはずです。

    海外のクラブチームでは選抜試験があるところも多い


    まとめ:我孫子市への提案

    「部活の地域移行」は大切な課題です。
    ですが、本当にやるべきは「マルチスポーツクラブ」を週末に開くことではありません。

    • 試合志向の部活 → クラブチームへ
    • 楽しむ志向の活動 → 地域クラブへ

    目的別に移行先を整備し、費用や時間の負担を軽減する仕組みをつくることが、子ども·保護者·先生、みんなにとって幸せな形だと思います。


  • ~無駄なお金をかけず、いち早く実現する道~



    なぜ今、夏のスクールバスが必要か

    この夏も、我孫子市は記録的な暑さ。
    炎天下、子どもたちがランドセルを背負って長距離を歩く姿を見るたび、親として胸が痛みます。都市部と違い、我孫子市は学区が広いのが現実。田畑を抜けて歩く子も少なくありません。

    徒歩距離が長くなりがちな小学校(一部)

    • 新木小:農地に囲まれ住宅地から遠い
    • 布佐小・布佐南小:校区が広く、特に布佐南小は校区の端
    • 根戸小:校区南部から距離が出やすい

    この状況なら、夏季スクールバスの導入は“必須”と言えるはずです。



    最大の壁=バス停の場所問題(徒歩3分=200m以内)

    スクールバスを導入しても、バス停が遠ければ意味がありません。
    小学生にとっての安全圏は徒歩3分=約200m。熱中症対策としては、この距離設定がカギです。

    私の提案は2段階です。

    1. 住宅街にある公共施設をバス停化(開館時間を調整)
    2. 公共施設がない地区は、効率的な“地域の居場所”を新設(住宅活用)
    新木小学校(赤ピン)は住宅街から離れたところにある。猛暑時期の通学は … かなり堪える。




    具体例:新木小学校で考える

    新木小は畑の真ん中にあり、新木・新木野の両地区から遠い配置です。

    • 新木地区は「新木行政サービスセンター」をバス停に。
      普段は8:30開館ですが、夏季は一部スペースを7:30開館に。
      早朝開館には追加コストがかかりますが、猛暑期だけなら年あたりおおむね50万円以内(人件費・光熱費・消耗費、予備費込みの目安)。
    • 新木野地区は公共施設がゼロ
      団地の外に近隣センターはありますが、小学校のすぐそばで、住宅から離れています。
      こうした地区こそ、歩いて行ける“新しい居場所”が必要です。高齢化が進む昭和の団地で、子どもの安全とシニアの憩いを同時に実現できる拠点を、最小コストでつくりたい。
    新木駅の北側には、涼しいバス停として利用できる公共施設が「ゼロ」



    夏の朝7:25、セミの声(ストーリー)

    玄関を開けると、ひんやりした空気。
    「おはよう!」と子どもたちが入ってくるのは、近所の私設図書館
    1階は地域に無料開放、2階は持ち主さんの住まい。ここはスクールバスの停留所にもなります。

    持ち主さんが不在の日は、市と契約したバックアップ見守りスタッフが鍵をあける。
    本は寄付、冷たい水と扇風機、日よけ。高価な“箱モノ”ではないけれど、必要な機能はそろっている
    ——公共施設がない団地には、こんな拠点がちょうどいい。

    神戸市郊外の私設図書館「世界のはしっこ」。戸建てを改修し、一階部分を開放している。




    近隣センター“直営化”より、私設図書館の方が速くて安い

    コスパを考えずに「箱モノ」を作ると税金がダダ漏れする


    限られた税金は“賢く”使う。費用を比べると、答えは見えてきます。

    ここでは、3通りのパターンを比較しました。

    ① 空き家を活用して地域センターを新設

    ② 地域住民による私設図書館の開設に補助金を出す

    ③ すでにある公共施設を早朝開館する

    費用は、比較表の通り。

    比較の結論

    • まずは公共施設の早朝開館で“最短”にスタート。
    • 公共施設がない団地私設図書館で補完。
    • “直営ミニセンター”はコストが大きく、数を置けない。私設図書館型なら短期間に拠点密度を上げられる

    市が運営するより、私設図書館の方が速くて安い

    私設図書館「世界のはしっこ」のオーナーご夫妻

    条件はシンプル

    • 1階の一部を無料開放(玄関〜くつろぎスペース+トイレ)
    • 夏季は登校帯(例 7:10–8:40)と下校帯(例 14:30–17:30)を必ず開ける
    • できない日は市の代行スタッフが運営
    • 本・おもちゃは寄付中心。入口でスマホ一時預かりにすると、会話が自然に戻る

    あなたの家の1階が、まちの力になるとしたら…
    スタイリッシュにリノベした空間は、夏の朝は涼しいバス停、昼は誰もが集える憩いの場に。
    小学生を猛暑から守り、近所のお年寄りにも居場所ができる。
    しかもリノベ費用の大半が市に補助され、運営費も市の補助で負担を軽くできるとしたら…。

    「やってみたい」という地域の方は、必ずいると思います。

    まとめ:子どもを守る近道は、“いまある資産”を賢く使うこと

    夏季のスクールバスを導入して、子どもを守ろう

    夏季のスクールバスの導入には、「バス停」が必要です。導入のハードルを下げて早期実現するためには、「いまある資産」を賢く使うことが鍵です。

    • まずは早朝開館で即スタート 
    • 施設がない団地は私設図書館で補完
    • 直営ミニセンターよりも、速く、広く、安く展開できる

    まだまだ猛暑は続きます。
    子どもが徒歩で長距離を登下校する現状は、もう限界です。
    夏季スクールバスを導入し、小学生が無理なく歩ける・クーラーの効いたバス停留所を、市内の“身近な居場所”で実現しましょう。
    朝の「おはよう!」が、あなたの家の1階から始まる——そんな我孫子市に。


  • 親としての本音:うちの子も心配です

    「うちの子、スマホばかりで会話が減った」
    「中学生なのに、ゲーム依存気味で生活リズムが崩れている」
    「高校生が夜遅くまでSNSをやめられず、朝起きられない」

    小学生から高校生まで、どの家庭でも同じような悩みを耳にします。
    放課後に子ども同士が集まっても、気づけば全員が画面を見て無言…。
    親として「これでいいのかな」と不安になりませんか?




    なぜ依存が進んでしまうのか

    私は数年前、日本で一番ユーザーが多いソーシャルメディア企業に勤めていました。
    そこで日々議論されていたのは「どうすればもっと長くアプリを使ってもらえるか」。

    • ついクリックしたくなるように、ボタンの色を変える
    • アルゴリズムを工夫して、できるだけ長時間アプリを利用させる
    • 「もっとやりたい」と脳に思わせる工夫を凝らす

    インターネット事業の利益は、「利用時間」と「利用頻度」を増やすことに直結しています。

    少なくとも私の在職中は、そこに「子どものスマホ依存」「メンタルへの影響」という指標は存在しませんでした。
    なぜなら、企業にとって利益は「利用時間が伸びること」だからです。

    つまり、私たちの子どもがスマホ依存·ゲーム依存になってしまうのは偶然ではなく、意図的に仕組まれた結果なのです。




    解決のカギは「居場所」

    「もうスマホやめなさい!」と親が言うだけでは、うまくいきません。
    むしろ親子の関係がギクシャクすることもありますよね。

    だからこそ必要なのは、スマホなしでも楽しく過ごせる居場所です。

    放課後に集まって無言でスイッチをする小学生も激増




    例えばこんな場所

    • 空き家を活用した ミニ地域センター
    • 入館時にスマホやゲーム機を預けるルール
    • 代わりに、ボードゲームやカードゲーム、マンガや本を楽しめる
    • 雨の日や猛暑日でも「じゃあ○○で集合ね」と言える屋内スペース

    先生や親が常に見張っているのではなく、管理人程度の大人がゆるく見守る環境。
    そこで子ども同士が自然に関わり合い、社会性を育てていく。
    そんな仕組みが必要だと思います。



    親として願うこと

    「スマホ依存をどうやってやめさせればいいのか」
    「ゲーム時間を減らす方法が知りたい」

    これは、どの家庭でも共通の悩みです。
    でも、子どもが悪いわけではありません
    そう仕組まれているからです。

    だからこそ、我孫子市に「スマホやゲームから解放される居場所」をつくることが、親としてできる一番の支援だと思います。

    子どもが「今日も友達といっぱい遊んできたよ!」と笑顔で帰ってくる。
    そんな日常を取り戻すために、地域全体で取り組んでいきたいですね。




  • コンビニ撤退から始まった「賑わいプロジェクト」

    千葉県我孫子市の手賀沼公園そば「ABISON」 コンビニ撤退跡地に、我孫子市が土地を借り上げ施設を新築した。

    手賀沼公園のすぐそば、公園坂通り沿いに、ひときわ目を引く白い建物があります。
    名前は「アビソン・シュガー・ガーデン(ABISON)」。
    実はこれ、市が「地域活性化」の名のもとに整備し、4つのレストランが入る飲食施設です。

    この場所には、かつてコンビニがありましたが、2021年に撤退。
    「失われた賑わいを取り戻そう」と、市は土地を借り上げ、施設を新築して2022年に出店者を募集しました。
    しかし、最初の募集はまさかの応募ゼロ

    そこで市は、月約50万円の家賃補助をつけて家賃を下げ、再募集。
    さらに施設改装や備品購入などの開業支援に約4,000万円を投入しました。
    その結果ようやく入居者が決定。

    つまり、契約期間5年間で

    • 家賃補助:約3,000万円
    • 開業支援:約4,000万円

    合計 約7,000万円が、この4店舗のために使われている計算になります。

    ※ 施設の建設費や専用サイト作成費用などは含まれていません




    「店を作れば賑わう」って本当?

    ABISONが掲げた目標は、「通りの賑わいを取り戻す」こと。
    でも現実は…大繁盛とは言い難い。
    少なくとも、7千万円もの税金を投じた分だけの“賑わい”が生まれたかといえば、首をかしげる人も少なくないはずです。

    では、そもそもなぜこの場所にあったコンビニは撤退したのか?
    理由は単純。
    儲からなかったから――つまり、人通りが少なかったからです。
    人が歩かない道に店を作っても、売上は伸びません。これは商売の鉄則です。

    実は、我孫子市はこれまでも「商店街活性化」を旗印に、最大100万円の起業補助金を用意してきました。
    しかし、その結果どうなったか。
    オープンから数か月でシャッターを下ろす店が出てしまう――そんなケースが後を絶ちません。



    本当の「賑わい」はどこから来るのか? 麻布十番と丸の内の違い

    「賑わい」とは、何から生まれるのでしょうか。
    ただ店を作れば、人は集まるのでしょうか。

    この問いに生涯をかけて挑んだのが、アメリカの経済学者であり、子育て中の母でもあったジェーン・ジェイコブズです。
    彼女の代表作『The Death and Life of Great American Cities』は、半世紀以上前に出版されたにもかかわらず、今もアマゾンの都市計画部門で売上1位を誇ります。

    ジェイコブズが導き出した答えは、明快でした。
    “多様な用途(diversity of use)”こそが、街の賑わいを生む。

    用事の異なる人が、異なる時間帯に街を訪れる。
    そうすることで朝から夜まで、平日も休日も、人の流れが途切れない街になるのです。
    逆に、ただ店や公園を作るだけでは、本当の賑わいは生まれない――彼女は全米の都市を歩き、その事実を数えきれない事例で示しました。

    では、この「多様な用途」がどう働くのか。
    身近な例で見てみましょう。

    麻布十番

    麻布十番は平日も週末も一日中人の流れがある 出典: Livingin, Ltd.


    住宅もあれば、小さな会社や古い商店街もある。
    赤ちゃん連れのママが昼間に買い物をし、高校生が放課後に集まり、夕方には会社員が帰り道に立ち寄る。
    夜はカップルや観光客がレストランやバーに流れ込む。
    平日も週末も、朝から夜まで街は息づいています。

    丸の内

    週末の午前中、閑散とした丸の内。週末に人の流れを生むため、大規模な再開発が行われた。出典 Tripadvisor


    整然としたオフィスビルが並ぶ、日本屈指のビジネス街。
    平日の日中はスーツ姿の人々で賑わいますが、夕方以降は潮が引くように人影が消えます。
    週末はさらに静まり返り、千代田区の昼間人口は夜間の実に13.5倍――まさに「一時的な賑わい」です。


    消えた我孫子市のにぎわい 〜昭和期に開発されたベッドタウンが辿った運命〜

    我孫子市の湖北台団地。昭和40年代に開発された。近くの商店街はシャッターが目立つ。出典: Google Map

    かつて、我孫子市には人の声と笑い声があふれていました。
    駅前の商店街には買い物袋を提げた人々、団地の広場には子どもたちの元気な声。
    あの賑わいは、一体どこから生まれ、そしてどこへ消えてしまったのでしょうか。

    その源は、「若い世帯」でした。

    昭和期、東京のベッドタウンとして一斉に開発された我孫子市の団地。
    そこには職場も、公立校以外の教育機関もほとんどなく、まさに「住むためだけ」に造られた街でした。

    同じ時期に引っ越してきた若い世帯が、子育てや日常の買い物で街を満たし、一時的に活気を生み出しました。
    しかし、あれから数十年。子どもたちは巣立ち、今では高齢化が急速に進行。
    昼間の街には人影がまばらで、静寂を破るのは救急車のサイレンばかり――中心部から離れた市内の団地では、そんな光景も珍しくありません。

    もともと「多様な用途」を持たなかった我孫子市は、唯一の賑わいの源だった若い世帯を失い、今、かつての活気をすっかり失いつつあるのです。



    補助金は賑わいを生むのか 〜我孫子市のシャッター商店街を歩いて〜

    「店を作れば賑わいが生まれる」
    「賑わいを生むために補助金を出す」

    こうした取り組みに、我孫子市だけでなく全国の自治体が税金を注ぎ込んできました。
    我孫子市でも、シャッター商店街に出店する場合、最大100万円の起業補助金がもらえます

    けれど――その成果は、本当に出ているのでしょうか。

    ある日、私は市内のシャッター商店街を歩いてみました。
    かつては八百屋や魚屋、文房具屋でにぎわったはずの通り。
    今は、昼間でも人影はまばら。シャッターの閉まった店舗が続き、開いている店も客は少なく、静けさだけが流れています。
    「補助金で店を開いた」という場所も、数か月で閉店した跡が残っています。

    その光景を目の当たりにして、思ったのです。
    本当の賑わいを生むには、そこに“理由”がなければならない。
    ただ店を並べるだけでは、人は来ない。
    日常的に、住んでいる人以外も訪れる用事が必要なのです。

    たとえば——

    • 小規模な語学学校や職業訓練校(通う理由がある)
    • 医療・福祉・軽作業などの事業所(働く理由がある)
    • 地域外から通学・通勤する人を増やす仕組み(関わる理由がある)

    「用事のある人」が増えて初めて、商店街は朝も昼も夜も息を吹き返す。
    そう感じた一日でした。


    我孫子市に人の流れをつくるには? 現実的なハードル

    我孫子市の湖北駅。成田線は30分に1本しかなく、決して便利な場所とは言えない。出典: Wikipedia

    とはいえ、課題ははっきりしています。
    我孫子市で「活気がない」と言われるエリアの多くは、古い団地が集まる地域です。
    交通の便は正直よくありません。我孫子市を走る成田線は30分に1本。
    「我孫子駅が最寄り」とはいえ、実際にはバスか車でないと行きづらい場所も多いのです。

    そんな場所に、人はちょっとした用事では足を運びません。
    「おいしいカフェがある」と話題になっても、最初の数週間は賑わっても、その後は足が遠のく――そんな光景は珍しくありません。

    だからこそ必要なのは、“毎日行く理由”です。
    話題性ではなく、日常生活に組み込まれるような目的。
    それは例えば、学校レベルの「必ず行く場所」。近所のコンビニみたいに「毎日行く場所」。
    この規模の需要があって初めて、人の流れは途切れず続くのです。

    廃校を「カフェ」にする前に 〜人の流れを生むという発想へ〜

    統廃合が検討されている学区にある布佐南小学校 出典: Google Map

    学校や交流拠点をつくるには、建物が必要です。
    けれど、小規模な学校に更地から校舎を建てる資金力はありません。
    交通の便が悪い場所なら、わざわざリスクを負って移転してくる学校もないでしょう。
    オフィスビルもほとんどない我孫子市では、なおさらです。

    そこで市がやりがちな手が、「税金でビルを建て、補助金で誘致する」。
    けれど、これではABISONと同じ道をたどります。
    補助金で無理やり需要と供給をねじ曲げても、自然な人の流れは生まれません。

    だからこそ、発想の転換が必要です。
    今ある資産は何か――それが、使われなくなる校舎です。

    布佐地区では、統廃合による廃校が検討されています
    地域の人たちは「学校がなくなれば、まちがますます寂れる」と心配しています。
    その不安は根拠があります。茨城県で行われた研究では、廃校が地域の高齢化や過疎化を加速させる傾向が確認されているのです。

    もしこの校舎を「カフェ」や「マーケット」にすればどうなるか。
    通りに人の流れがない今、繁盛する可能性は薄く、税金だけが消えていくでしょう。

    にぎわいが欲しいなら、まず“人の流れ”をつくる。
    たとえば廃校を専門学校や職業訓練校として活用し、学生寮への転用も認める。
    賃料は維持管理費+最低限の共益費だけにして負担を軽くする。
    教室と住まいが同じ敷地内なら、遠方からも人が集まります。

    空き家やシャッター商店も「商売を入れる」発想を捨てましょう。
    団地の中に冷暖房完備のちいさな図書館や児童館をつくる――本が読めて、パソコンが使えて、子どもが遊べる。
    赤ちゃん教室や工作教室、パソコン相談会が定期的に開かれる。
    そんな場所があれば、自然と人は集まり、笑い声が生まれます。

    神戸市で戸建て改修しできた私設図書館「世界のはしっこ」 子どもたちに愛されている。出典: まちライブラリー

    「にぎわい=店」という思い込みから抜け出すときです。
    本当に必要なのは、人が集まる理由と流れをつくること。
    発想を変えれば、きっと地域の未来は変わります。

    私設図書館「世界のはしっこ」を企画・建築した、建築家の秋松麻保さん。築40年の戸建てを改築した。出典: LIFULL HOME’s

  • 「まさか」の雨が、命を奪う時代に

    突然のゲリラ豪雨。
    ニュースで見るたび、胸が締めつけられます。

    この夏だけでも、テキサス、中国…世界各地で記録的な豪雨が発生しました。
    テキサスでは川沿いでサマーキャンプをしていた女の子たちが、急な増水にのみ込まれました。
    子どもを守ろうとした大人も犠牲になりました。
    中には、あふれた水を前に窓ガラスを素手で割り、子どもを浮いたマットレスに乗せて救助を試みた父親も。彼は失血し、そのまま帰らぬ人となったそうです。

    専門家は言います。もしあの時、タイムリーな警報があれば、助かった命があったはずだと。




    我孫子市も他人事じゃない


    一昨年の夏、我孫子市でもゲリラ豪雨がありました。
    冠水した地域がいくつも出て、道路や住宅が被害を受けました。

    この航空写真を見てください。
    北には利根川、南には手賀沼。市内には低地も多く、もともと水害リスクを抱えてきた地域です。

    我孫子市は、昔から大きな工事を繰り返し、治水対策に力を注いできました。
    近年も、雨水管や調整池などの洪水対策インフラを次々と整備しています。
    しかし、その費用は数億~数十億円。今年(令和7年)の浸水対策事業費は18億円

    さらに、工事には数年かかり、老朽化すれば再び多額の更新費用が必要になります。
    将来の子どもたちにも、多額の借金を残すことになります。



    どこまでインフラを作れば「安心」なのか?

    気候変動で、降る雨の量も質も、もう昔とは違います。
    近年のゲリラ豪雨は、時に「地域の貯水池が降水量の1%も吸収できない規模」で降ります。
    つまり、どれだけ税金を使ってインフラ工事をしても、洪水リスクをゼロにはできません。

    テキサスや中国と同じ規模の雨が我孫子市に降ったら…
    残念ながら、今のインフラだけでは命を守れないでしょう。


    命を守るのは「設備」よりも「時間」

    洪水で亡くなった人たちは、設備が足りなかったからではありません。
    「逃げる時間」がなかったからです。

    だからこそ、これからの防災は――
    ・早く知らせる
    ・誰もがすぐ行動できる

    この2つが命を分けます。

    我孫子市でゲリラ豪雨があったとき、警報は確実に届くでしょうか?
    その音は、年配の方にもはっきり聞こえるでしょうか?
    何の警報なのか、どこに逃げればいいのか、誰もが知っているでしょうか?



    テキサスで命を救った「警報と訓練」

    118人もの命が失われたテキサスの洪水。洪水があった川の近くに、人的被害が全く出なかった小さな町がありました。

    出典:AP news.com ’Warning sirens helped this small Texas community survive flooding’

    この町では、警報システムを刷新し、訓練を徹底していたのです。

    ・災害ごとに違う音を鳴らす警報タワーを設置していた
    ・「この音ならここへ逃げる」と住民全員がわかるまで何ヶ月もかけて訓練していた

    音で瞬時に危険を判断し、迷わず行動できる仕組み――それが命を救いました。

    この町では、何か月もの間、毎日正午になると決まって洪水警報を鳴らし、住民に訓練のように聞かせていました。
    だからこそ、ある日――正午以外の時間に警報が鳴った瞬間、住民たちは「これは本当の洪水だ! 今すぐ避難しなければ!」と、迷わず動けたのです。
    この“条件反射”が、多くの命を守りました。


    我孫子市も「発想の転換」を

    我孫子市にも、すでに警報タワーがあります。
    新しく何十億円もかけて大規模な洪水対策インフラをつくるよりも、今あるこの仕組みをもっと使いやすく、確実に命を守れる形に投資するほうが、はるかに効果的ではないでしょうか。

    警報の音を誰もが聞き取れるようにする。
    その音を聞いたら、どこに避難すればいいのか全員が知っている。
    そうした環境を整えることこそ、我孫子市の防災にとって、そしてそこに暮らす人々の命を守るための、一番価値ある税金の使い方だと思うのです。

    あなたは、どう思いますか?ぜひお聞かせください🦫

  • 最近ニュースで「石破首相のガソリン減税」とか「道路に穴が空く」という話題を見かけます。
    税金はちゃんと使われているのか、私たちの生活は大丈夫なのか――不安になる人も多いでしょう。

    今回は、千葉県我孫子市を例に、地方のお金の使い道を見てみます。



    我孫子市は本当にお金がないの?



    「自治体にお金がない」とよく聞きますが、具体的にどれくらい厳しいのでしょうか。

    2025年、我孫子市は財政が厳しいことを背景にナイツ塙さん出演の広報動画を打ち切りました

    市の豊かさを示す指数「財政力指数」は、ここ数年悪化の一途を辿っています(1に近いほど財源に余裕がある)。

    我孫子市 公式HP「市税と財政指標の推移」より

    では、具体的に何にお金を使っているのでしょうか?詳しく見ていきましょう!


    💰我孫子市のお金の使い道(支出)

    我孫子市の令和5年度の決算資料より
    • 一番大きいのは扶助費(ふじょひ)。
    • 生活保護や障がい者の介護、保育園への委託費など、人に直接渡されるお金です。
    • 2024年度の扶助費は141億円。市の支出全体の3割を占めています。

    中でも大きいのは…

    • 障がい者介護給付(26億円)※8~9割が介護給付
    • 生活保護扶助(24億円)※受給者の半分は高齢者
    • 保育園児童保育委託費(22億円)

    では、収入の方はどうでしょうか?こちらも見ていきましょう!


    🏛我孫子市のお金の入り口(収入)

    我孫子市の令和5年度の決算資料より

    市税(固定資産税など)が4割(177億円)ほど。

    つまり、扶助費だけで市税の8割がなくなってしまう計算です。

    さらに高齢者は増え、子どもは減っている。
    介護や生活保護の必要な人は増えますが、税金を払う人は減っています。
    我孫子市も、厳しい状況なのがわかります。



    🛠インフラの「見えない負担」

    ここで忘れてはいけないのがインフラです。
    普段はあまり意識しませんが、下水道・水道・道路は「作ったら終わり」ではありません。
    40〜50年で老朽化し、大規模な修理や交換が必要になります。

    🕰 いつ作られたの?

    日本では197090年代に一気に整備しました。
    そのため、20252045に更新ラッシュがやってきます。

    🏘 我孫子市も例外ではない

    我孫子市は1970年に市制を施行し、人口は5万人ほどでした。
    東京都心へ通勤できるベッドタウンとして、人口は2009年に13.6万人まで増えました。
    1970~90年代の間に多くの団地や住宅街が整備されています。

    • 平和台(布佐平和台)
    • 湖北台団地
    • 我孫子ビレジ
    • 新木・新木野団地

    これらの街は、同じ時期に作られたため、同じ時期に老朽化します。つまり大きな更新コストがかかってきます。
    住民も高齢化し、税収は減る一方。
    お金が一番必要な時期に、お金が足りないというサイクルに入っているのです。


    💸下水道と水道の借金も

    我孫子市は下水道と水道あわせて120億円の借金を抱えています。
    利用料では返せないため、市税から補填しています。
    これは全国の自治体で共通する大きな課題です。

    📌 まとめ

    • 少子高齢化 → 税収(収入)は減る → でも扶助費(支出)は大きくなる 
    • 好景気の時代に作られたインフラ → 利用料で借金返済を返しきれない → 老朽化したインフラの更新ラッシュでで支出はさらに増える
    • 今お金がないだけでなく、これからもっと厳しくなる。



    🔍 次回予告

    次回は、洪水対策について考えます。

    我孫子市は、利根川と手賀沼に挟まれており、昔から洪水対策として何百億円もの工事を行ってきました。現在も数億円〜数十億円規模の、新しい洪水対策が進行しています

    気候変動で豪雨や浸水リスクが増える中、
    「従来のように税金をかけて大きな防災インフラを作る」やり方は正しいのか?

    どこまでやれば「十分」なのか?

    次の記事では、我孫子市気候変動時代の防災について、一緒に考えていきましょう。


  • 我孫子市のゴミ出し問題、みんな感じていること


    我孫子市に住んでいると、ゴミ出しのルールやご近所との関係って、ちょっと気を使いますよね。
    自治会の方たちも本当に大変そうで、「当番が回ってくるたびに憂うつ」という方もいるのではないでしょうか。


    海外では「ゴミ当番」なんてない


    海外では、各家庭の前に出すだけの個別収集が当たり前。
    地域でゴミ置き場を管理して、順番で掃除するなんて仕組みはほとんどありません。
    日本でも福岡市では昔から個別回収をやっていて、
    鎌倉市でも少しずつ広がってきています。
    正直、このシンプルさがうらやましい…。だからこそ、「明日の生活」をどう守るかは、私たち一人一人が考えるべき大きなテーマです。



    当番制は今の暮らしに合わない?

    • 共働きで朝はバタバタ
    • 子どもがいると時間との戦い
    • 高齢の方も無理がきかない

    当番ができない→自治会に入りにくい→人が減る→負担が重くなる…。


    こんな悪循環、どこにでもあるのではないでしょうか。

    我孫子市を含め、日本の自治体のゴミ出しのルールは昭和の時代にできたものです。

    その頃と比べて、共働きも増え、高齢者も格段に増えました。

    現代の暮らしに合わせて「シフト」が必要なのかもしれません。



    カラスとネット、ご近所トラブルの火種

    朝に袋のまま出しておくと、カラスがすぐ狙ってきます
    ネットをかけるかどうか、きちんとしまうかどうか…これもトラブルのもと。

    • ゴミが散乱して景観が悪くなる
    • 誰かが片付けなきゃいけない
    • 不満がたまる

    これ、正直みんな嫌ですよね。



    夜間回収があれば…

    サグラダ・ファミリア観光でも有名なあのバルセロナでは、実は夜間にゴミ回収をしています。

    eSos.de より バルセロナの夜間ゴミ回収の様子。昼間はゴミがなく、気持ちよく歩ける。


    福岡市も夜間回収を導入済み

    夜に出したゴミはそのまま回収され、

    • カラスに荒らされない
    • 朝にはきれいな状態
    • 余計なトラブルも減る

    想像しただけで、ちょっと気が楽になります。


    ご近所がピリピリしない街に


    今、我孫子市に住んでいる方にも、移住を検討している方にも、
    「ゴミ出しで気を使わなくていい」って、ものすごく魅力的だと思います。

    夜間回収や個別収集が広がれば、

    • ネットをかける/かけないのモヤモヤ
    • 当番を守る/守らないのストレス
    • カラス被害や景観の悪化

    こういう小さなストレスから解放されます。


    ちょっとした仕組みの違いで、暮らしはもっと快適に

    我孫子市のゴミ出し問題は、みんなが少しずつ我慢して回している現状。

    昭和の時代にできたゴミ出しルール。現代の社会に合わせて「シフト」が必要な時期かもしれません。
    でも、夜間回収や個別収集があれば、
    もっと自然に、気持ちよく暮らせる街になるはずです。

    💡 「これ、わかる!」と思った方、きっと多いはず。
    小さなストレスが減るだけで、毎日の気持ちは全然違いますよね。

  • 2023年9月、我孫子市ではゲリラ豪雨により複数の住宅が浸水しました。
    そして先月、アメリカ・テキサスでは河川が決壊し、多くの命が奪われる大規模水害が発生しました。

    温暖化の進行により、豪雨はより激しく、より頻繁になると予測されています。
    だからこそ、「明日の生活」をどう守るかは、私たち一人一人が考えるべき大きなテーマです。


    一人の生活者として


    私は防災の専門家ではありません。
    ユーザーファーストをモットーにビジネスの世界に身を置いてきた一人の生活者です。
    そんな立場から見て、洪水リスクの高い我孫子市の防災について感じることを、率直に書きます。



    住民の不安は「情報不足」から生まれる

    我孫子市は、ハザードマップの更新、大規模工事、現地調査などを真摯に行っています。

    例えば、市がどのような対策を行ってきたのか、これからどのような取り組みを進めるのかをまとめた資料があります。
    とても丁寧に多くの情報が記載されています。

    令和7年度 我孫子市の浸水対策の概要 より

    ただ、こうした資料を読んで「よくわかった!これなら安心」と感じられる市民は、どれくらいいるでしょうか。

    「大規模な工事が行われていることはわかるけれど、自分の生活にどう影響するのかまではイメージしにくい」——そう感じる人も少なくないと思います。

    市が一生懸命情報発信しても、不安や不信感が残るのは、「知りたい情報が届かない」「生活者目線で分かりにくい」という壁があるのではないでしょうか。


    「知りたい情報」の公開が、住民の安心をつくる

    これからの防災では、「情報をタイムリーに共有すること」がますます重要になります。

    例えば、お隣の柏市では、マンホールにセンサーを設置し、どのエリアで浸水リスクが高まっているかをリアルタイムで公開しています。

    柏市が公開している管路内水位観測システム。画像も見られるのがいい。


    また、三重県津市では「AQUA SMART CLOUD」というIoTシステムを導入し、排水ポンプやゲートの開閉状況をクラウド上で把握。迅速な対応と、市民が安心して暮らせる環境づくりの両立を実現しています。

    我孫子市でも、

    • どのバイパスゲートが閉まっているか
    • どの地域で浸水リスクが高まっているか

    といった情報がリアルタイムで見えるようになれば、住民が安心して暮らせる力強いサポートになるはずです。

    (ゲートの開閉については県の管轄なので、情報公開が難しいのかもしれません)


    大規模工事と「明日の不安」

    我孫子市では国の補助金を得て、10年単位の大規模な排水工事が進められています。
    これは重要であり、関係者の尽力に感謝します。

    しかし、住民の不安は「10年後」ではなく「次の大雨」にあります。「来月からこう変わります」「ゲートはこう動いています」というリアルタイムの情報が、何より心強いのです。


    ハザードマップはもっと使いやすく

    ハザードマップは公開されていますが、PDFは解像度が低く、どの丁目が危険か読みにくい部分があります。
    とても大切な情報なだけに、生活者として少し残念に思いました。

    我孫子市のハザードマップの一部

    「自分の家がどうなのか一目でわかる」——そんな視点での情報提供が求められています。


    結論:住民と行政をつなぐ鍵は「見える化」

    洪水や浸水は一度起これば生活に甚大な影響を及ぼします。
    情報公開の強化ゲート・排水施設の自動化が進めば、我孫子市はさらに強く安全な街になるでしょう。

    すでに多くの対策が進んでいる今こそ、「明日の安心」を住民と共有するための一歩が必要なのではないでしょうか。

    みなさんは、どう思われますか?🦫

  • 最近、カナダのとある町を訪れる機会がありました。
    大自然や観光地で有名なエリア……ではなく、どちらかというと「何もない」と言われるような住宅地。
    でも私は、この町のあり方に、我孫子市がこれから進むべきヒントをたくさん感じました。



    自然と共に暮らす。歩けば感じる“まちへの愛”

    このカナダの町には、観光名所と呼べるものはほとんどありません。
    でも、緑のトレイルが街のあちこちに張り巡らされ、歩道は広く、安全で、静か
    木陰の下を歩いていると、ふと足元にウサギが現れたりもします。

    日々の暮らしのなかに、そんな“ちょっとした感動”が散りばめられている。

    それは偶然じゃなく、市が長年かけて「まちの自然=資産」として守り育ててきたからなのです。


    古いまちなのに、どうしてこんなにきれい?

    驚いたことに、この町は100年以上の歴史がある、決して新興住宅地ではない場所。
    でも老朽化を感じることはなく、むしろ成熟した安心感に包まれています。

    なぜか?
    理由はとてもシンプルです。

    • 市が定期的に芝生やゴミ箱、公園を管理している
    • 清掃や整備は専門業者に委託し、住民の善意やボランティア任せにしない
    • 「自然は放っておくもの」ではなく、「丁寧に手をかけるべき大切な資産」という考え方が根づいている

    つまり、観光客のためではなく、“住んでいる人が幸せに暮らす”ためのまちづくりが徹底されているのです。

    観光地でもなく、大きなホテルもないのに、宿泊地として選ばれるまちの魅力

    この町には、他県や他国から移住してくる若い家族が後を絶ちません。
    理由は、「住んでいて気持ちいいから」。
    観光客は、この町に来るというより、近隣の観光地に遊びに行く拠点としてこの町に宿泊する人が多いようです。

    つまり、「観光の町」ではなく、「住む人が満足する町=結果として人が集まる町」なのです。

    我孫子市にも、可能性はある

    我孫子市にも、たくさんの自然があります。
    手賀沼、里山、住宅街に点在する公園……
    でも、ゴミが落ちていたり、隣に老朽化した空き家があったり
    せっかくの自然が「手をかけてもらってない」と感じる場所も少なくありません。

    新しい施設より、今ある自然に手をかけよう

    散策路にそれぞれ名前がついている

    カナダの町では、新しく何かを作ることよりも、“今ある自然や公園”を整備し、快適に使えるようにすることに力を入れていました。

    • 芝生は定期的に整えられ
    • ゴミはすぐに片付けられ
    • 散策路には市の名前がついた標識が設置されていて、「この道は市が守っている」という意思が伝わってくる

    我孫子市も、観光施設を無理に増やすより、今ある緑や公園に手をかけることが、住民の満足度を高め、結果として「住みたいまち」になる近道かもしれません。

    移住希望者に選ばれる我孫子市へ

    私たちのまちは、観光名所が多いわけでも、テーマパークがあるわけでもありません。
    でも、だからこそ、「静かに暮らせる」「緑に癒やされる」「子育てしやすい」まちであることを大切にしたい。

    そのためには、空き家や空き地の管理、ゴミの清掃、老朽化した公園の整備など、
    地味だけど本質的な“まちの手入れ”が必要だと思うのです。

    最後に──“暮らしを大切にするまち”の価値


    観光よりも、移住者誘致のための広告よりも、
    まずは「今住んでいる人の毎日が気持ちいい」ことが、まちの最大の魅力になる。

    我孫子市も、「あそこに住みたい」と思われる町に、きっとなれる。

    ウサギが跳ねるカナダの歩道を歩きながら、私はそんな未来を、少し本気で想像していました。

  • 我孫子市には、駅から徒歩圏内にもかかわらず、シャッターが閉まったまま何年も開かない商店街が、いくつもあります。
    歩くたびに「なんだか寂しいな」「前は賑わってたのに…」と感じてしまう方も多いのではないでしょうか。

    実際、私のまわりでも「どうにかならないの?」という声をよく聞きます。ブログやSNSでも、そんな声がたくさん上がっています。

    でも…実は、「どうにかしよう」と、これまで市も頑張ってきました。最大100万円の補助金を出して、空き店舗の再活用を応援する仕組みもあります。

    それでも、なぜ目に見える変化がないのでしょうか?


    補助金を使ってもすぐ閉店してしまう現実

    シャッター商店街, 我孫子市
    湖北台中央商店街
    Google Mapより

    一時的に新しいお店ができても、1年も経たずに閉店してしまう事例が、実はけっこうあります。

    「補助金があるから出店しよう」ではなく、「出店するなら補助金があるから使おう」という流れが多く、そもそもその場所にお店を開く“ニーズ”がなかったのかもしれません。

    考えてみれば、私たちの日常の買い物はもう、商店街ではなくなっています。
    スーパー、ドラッグストア、コンビニ。
    必要なものは車でまとめて買いに行くのが当たり前。

    つまり――
    その場所は、まちの中で「お店が必要な場所」ではなくなってしまっている。
    それが、マーケットの現実なのだと思います。






    建物は古く、オーナーは高齢。でも本人は「困っていない」

    我孫子のシャッター商店街の多くは、1階が店舗、2階が住居という2階建て。
    昔はお店を切り盛りしながら住んでいた方が、今も2階に暮らしているケースが多いです。

    建物は築50年を超えていることも珍しくなく、外壁はサビているところもあります。

    でも、オーナー自身はそこに住んでいて、困っていないんです。2階に住んでいるのに、1階を他人に貸すのは面倒ですし、その必要性もありません。

    本当に困るのは「相続のとき」。
    子どもは地元を離れていることが多く、「あんなボロい建物いらないよ」と言われる。
    かといって、自分で解体したり、不動産屋に売ったりするのはとても大変。

    実は、シャッター商店街の多くが、こうして止まった時間の中に置き去りになっているのです。




    解体には200万円以上…売るのも一苦労

    こうした古い店舗付き住宅は、普通の空き家よりも解体費用が高くなりがちです。
    建物が商用仕様であったり、アスベストなどの処理が必要だったりするからです。

    また、売るにしても、

    • 登記の確認
    • 相続手続き
    • 不動産業者とのやり取り
      …と、高齢のオーナーが一人でやりきるのは、本当に大変。

    それなのに今の制度では、「じゃあ補助金で新しいお店出してください!」となってしまう。
    これは、現場の現実と、まちの支援が、ずれてしまっている例だと思います。





    今、本当に必要なのは「寄り添ってくれる仕組み」

    我孫子市のようなまちのシャッター街の再生に必要なのは、
    補助金でお店を復活させることじゃないのかもしれません。

    本当に困っている高齢のオーナーが、相続や売却に向けて次の一歩を踏み出せるように、手を貸すことの方が、本当に助かる支援なのかもしれません。




    我孫子に必要な三拍子

    そこで私が思う「必要な三拍子」はこれです。

    ① ワンストップ相談窓口

    登記、相続、売却、解体のことまで一括して相談できる窓口を市がつくる。
    「どこに何を聞いたらいいのか分からない」という不安を解消できます。

    ② 自己資金ゼロで完了できる

    例えば、売却後に必要経費(登記、手数料、解体費など)を引いた分をオーナーに渡す形。
    現金を持ち出す必要がなければ、高齢者でも動きやすくなります。

    ③ 丸投げ・代行という選択肢

    司法書士や不動産会社と連携し、「もう自分じゃ動けない…」という方には代行の仕組みを提供する。
    情報弱者になってしまいがちな方々を守るためにも、こうした制度は不可欠だと思います。





    商店街が「まちの住宅地」
    になる?

    もし、今のシャッター商店街が「お店の場所」としての役割を終えているのなら、
    これからは「暮らす場所」へと転換していくことが自然ではないでしょうか。

    例えば湖北台のシャッター商店街。
    駅から自転車で5分、公園のすぐ近くで、ファミリーが住むにはとても良い立地です。
    我孫子駅周辺の地価が高騰している今、こうしたエリアが“ちょうどいい暮らしの場”になる可能性は大いにあります。

    今ある規制が、商店街を住宅に転用できないようにしているなら、その見直しも検討すべき時期かもしれません。





    最後に:まちを愛するひとりとして

    まちの景色が変わるのは、一歩ずつです。
    でも、動き出すきっかけは、補助金じゃないかもしれない。

    みなさんは、どう思いますか?